創業計画書の最後の項目となりますが、こちらは最重要項目の一つとなりますので、最後まで気を引き締めて取り組んでいきましょう。
1.事業の見通し 〜創業当初〜
こちらの項目では、「創業当初」と「軌道に乗った後」の2つに分けて見通しを記載します。
まずは、「創業当初」を計画していきましょう。
そもそも、創業するのは初めてだと思いますので、数字の根拠など出せないかと思います。
そこで活きてくるのはこれまでの経験です。創業しようとしている業種の経験があれは、1日の客数や客単価の予測はある程度つくかと思います。
経験が必要というのは、こういうところなのです。闇雲に予測が立てられるほど、経営というのは簡単ではありません。
もし、全く経験がない業種で創業しようとされているのであれば、今からでも遅くありません。
アルバイトでもいいので少しでも経験を積んでから起業されることをお勧めします。
それでは、経験があるという前提でお話を進めていきます。
■売上高
売上高は、以下の公式で見積もります。
客単価 × 客数 × 1ヶ月の営業日数
例えば飲食店であれば、平日か土日なのか、ランチかディナーなのかによって、客単価や客数が変わってくるかと思いますので、その辺りは気をつけて見積もりましょう。
また、客数は回転率も考慮すると、現実に近い数字になります。
■売上原価
売上原価は、上記の売上を作るのに必要な費用になります。
上記と同様に飲食店であれば、食材等の仕入れが考えられます。
食材であれば、実際に提供するメニューにかかるコストを厳密に計算しましょう。
原価率をどれくらいに抑えるべきなのかも、この段階で見積もっておけば実際に経営を始めても安心です。
もし仕入れ業者が決まっている場合には、見積書などを根拠に算出しましょう。
また、売上原価の業界平均はこちらで調べることも出来ますので、分からない場合は参考にしてみてください。
■人件費
人件費は、正社員なのかアルバイトなのかといった雇用形態によって大きく変わってきます。
また社会保険料などの法定福利費も関係してきますので、その辺りも注意して算出しましょう。
■家賃
テナントを賃貸する場合などは、毎月の賃料を記載します。
■支払利息
まだ融資を申請する段階ですので、支払利息と言っても利率が分からないと思います。
審査が通った後で利率が確定しますが、この段階では「2.0%」を使って以下の計算式で算出しましょう。
借入希望額 × 年利(2.0%) ÷ 12
■その他
こちらの項目では、水道光熱費や広告宣伝費、消耗品費などが考えられます。
毎月の経営において、かかる費用は何なのかを入念に洗い出して算出しましょう。
2.事業の見通し 〜軌道に乗った後〜
こちらは軌道に乗った後ですので、創業当初よりは安定した数字になるかと思います。
こちらも予測にはなるかと思いますが、現実離れした数字ではなく、以下の点に気をつけて、可能であろう数字を見積もりましょう。
・いつまでに軌道に乗せる計画ですか?
・軌道に乗ったら売上はどの程度増えますか?
例)客数の増加による売上増加
・売上原価に変化はありますか?
例)仕入れ量の増加によるコストダウン
・人件費は増加しますか?
例)客数増加によるアルバイトの雇用など
・その他の経費に変化はありますか?
例)消耗品費など、売上と連動して増えるものがあれば
3.まとめ
売上や売上原価などの見通しを立てるというのは、経営を計画する上で最も大切な事です。
これまで数字に携わってこなかった方には少々大変かも知れませんが、入念に取り組みましょう。
また一点注意点ですが、売上から原価や経費を引いて残ったお金が創業者の給料になります。
これが全く残らなければ生活が出来ませんので、その辺りも考慮して経営計画を立てることも重要です。
もう一度見落としなどがないか、しっかりと確認してみてください。
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